リアMOS装着顛末記


ゴム類を交換した時から、リアブレーキの具合が悪い状態が続いていた。
ブレーキキャリパーを新品に交換することになるなら、思い切って前後のキャリパーをMOSで揃えたい。

そんな矢先、takaさんからXJR400のMOSキャリパーが流用可能という情報を入手。
XJR400の純正キャリパーサポートを若干加工すればいけるらしい。

よし、決めた。

リアもMOSキャリパーに交換してしまえ!
ネタとしても面白いしなあ。

かくして「リアMOS装着プロジェクト」が、水面下で動き出したのだった。

2月17日

我らが工場長yokoGさんに、サポートの加工が出来ないものかと打診する。
現物を見た上で、知恵と技で何とかなりそうであればやってみると、頼もしい回答を得た。
まずkurokiがパーツの手配に取りかかる。

3月6日

XJR400R(4HMH)用リアキャリパーとキャリパーサポートの入荷連絡を受けた。
欠品のため、入荷が遅れてしまったらしい。
パーツそのままyokoG工房へ送ってもらうよう手配する。

3月12日

Webサイトを巡回中に、思わぬ情報を発見してしまった。
興奮と喜びで、kurokiの視線がパソコンの液晶モニタへ釘付けになる。

TAIさんが、TRXにリアMOSを装着されている。しかも、詳細な情報をサイト上で公開されている。

こいつぁ驚いた!
なんてタイムリーな情報なんだ!

はやる気持ちを抑えながら、yokoGさんにメールで情報をお知らせする。

正直、takaさんの情報だけでは見通せない点が多く不安だった。
ここまで詳細な情報が書かれているなら、出来ないワケがない。

不安が確信に変わった瞬間だった。ありがとうTAIさん!

3月15日

サポートの試作品が出来たと、yokoGさんから連絡を受ける。


XJR400Rのサポートのボス(アクスルシャフトが通る部分)をNC旋盤で削って、TRXに入る薄さにしたそうだ。
なお、加工作業はyokoGさんのお友達のトコロにお願いした。


この切り立った角を見よ!カッチリキッチリ削れてる。

taka号に装着してみたところ、寸法はバッチリ。
実機で確認もできたので、3台分のサポートを加工をすることにした。
そう、いつの間にかゆういち号とyokoG号にもリアMOS装着が決まっていたのだ(笑)。

恐るべし、リアMOSの物欲着火力。

3月24日

yokoGさんから、再度連絡を受ける。

トルクロッドを作成することにしたとのこと。

TAIさんの情報によると、「トルクロッドの取付位置が右方向で外側に移動し、スイングアームと合わなくなる」ようだが、純正ロッドを加工するのは結構大変。
この際、少し長めでキャリパーがアクスルの真下に来るようなロッドを作ることにしたそうだ。


シャフトには、14㎜六角の快削アルミ合金A2011を使用。
A2011は強度が高く切削性に優れているが、耐食性に劣るため、厚めのアルマイト加工が施される。


両端をピロボールにすることで、取り付け角度の自由度が高まった。

kurokiが工房に来るときには、一発で交換が済むことを目指す、と意気込むyokoGさん。

――ホント、yokoGさんには頭が上がらない。深く深く感謝するのみ。

4月16日

遂に念願のリアMOSを装着となった。


手慣れた手つきでサクサクと作業を済ませるyokoGさん。
まずは古いキャリパーを外して‥‥。


新しいキャリパーを取り付けて‥‥。


そして、ブレーキフルードのエア抜き。


ブレーキホースは、TAIさん情報を参考に、FZR400RR(3TJ)の純正ホースを採用。


じゃじゃーん、念願のリアMOSが装着された!
kurokiはただ見ているだけだったが(汗)。

しかし、前後が青MOSになると、見た目締まるねえ。

早速、試乗してフィーリングを確認する。
コントロール性を見たいので、入り組んだ路地を中心に走ってみる。

今までのキャリパーは、オンとオフの二択しかないような感じだった。
効力の立ち上がりが急なので、パーシャル的な引きずり状態が維持しにくく、リアロックを誘発しやすい。
姿勢制御のために軽くリアをあてたくても、このブレーキではやりにくいと感じていた。

ところが、リアMOSなら簡単だ。

効力の立ち上がりが緩やかになり、リアを姿勢制御に使うのが容易になった。
ガツンと効かないので、リアロックに神経質にならずに済むのも嬉しい。

制動力は若干落ちたみたいだ。
一回り小振りなキャリパーであることに加え、パッドとローターのアタリが付いていないこともあるだろう。
ただ、リアは姿勢制御用の補助ブレーキと考えているので、デメリットとは思わない。むしろ、扱いやすくなった分、結果的に制動距離が縮まるかも。

ブレーキコントロールの敷居が一段下がったような感じがして、なんとも嬉しい。

それともう一つ。
ヤマハの純正部品なので、いろいろな意味で安心感が高い。
耐久性は期待できるし、ブレーキパッドなどの消耗品も安価で購入可能だ。

ああ、早く峠やサーキットに持ち込んで、MOSの性能を味わってみたい‥‥。

リアMOS祭り勃発

ニコニコ顔でyokoG工房から帰宅。
速報を常設掲示板に投稿したところ、予想以上の反応が返ってきてビックリ。

その後、yokoGさんがリアMOSのボルトオンキットをリリースされると、更にヒートアップ!
さながらリアMOS祭りの様相を呈していた。

やっぱりみなさん、リアブレーキは気になっていたのね‥‥。

だが、しかし。
前後MOSって、イマドキのYAMAHAバイクの標準装備なんだよねー。
ブレーキシステムだけでも、こんなに差が付いていたなんてさー。

‥‥YAMAHAが、TRX900を作ってくれればなあ‥‥。

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